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Dear コインロッカー・ベイビーズ,

コインロッカーベイビーズをどう捉えるか

123

2019/03/16
Dearコインロッカー・ベイビーズ,
コインロッカーベイビーズ上下巻、最初から最後まで読むあいだ、私はずっと迷子でした。ただ断片的に印象的な描写があったり、気持ちが切迫するものがあり、それなりにコインロッカーベイビーズの世界には入り込めていたのだとおもっています。
この本は最終的にどうなってキクとハシとアネモネはこうなりましたよ、というエンドロールを見るのではなく、それまでの彼らの生きざまみたいなものとか、コインロッカーで生まれた2人のそれぞれの心情を読みといていくのが正しい読み方のように思いました。村上龍さんもそれを望んでいたんじゃないだろうか。

コインロッカーベイビーズを読んで数年後、迷子になりながら読んだくらいだから、詳しい情景なんててんで覚えていないころ、サブカルチャー好きが集まる会で、ジャニーズのABC-Zが出演する舞台「コインロッカーベイビーズ」を見にいくことになりました。あの世界観をどうやって舞台で表現するのかと思いました。

観客はほとんどが村上龍のコインロッカーベイビーズ好きが集まっているのではなく、確実にジャニーズの肉体美を見に来ている女性たちの方が圧倒的に多く、アウェイ、な雰囲気もありつつ鑑賞。

まあ確かに話の流れは本の通りに進み、とてと迫力がありました。久しぶりにみた舞台、舞台っていいなあとも思いました。
でもでも、最後の最後、本でいう最後のエンドロール、めでたしめでたしで終わらなかったこのコインロッカーベイビーズをどう舞台で終わらせるか、色々脚本は試行錯誤されたんだろう、
ジャニーズの2人は「これが、俺たちのコインロッカーベイビーズだ!」と叫び、終演したのでした。

なるほどそういう終わり方もあるか。確かに正しい。心情を読み解くコインロッカーベイビーズという本は人によってきっと捉え方が違って、ハッピーエンドだと思う人もいれば、そうじゃないと思うひともいる。

最後の最後にまとめるとすれば
「これが、"俺たちの"コインロッカーベイビーズだ!」という一言で全てがきれいにまとまるのだ。それが、あなたたちのコインロッカーベイビーズだったのね、と。

色々書きましたが、本も読んで良かったし、舞台も見てよかった。いつかまた余力があるときに、コインロッカーベイビーズを読み直し、これが私のコインロッカーベイビーズだ!というのを探すことをすべきなのだと思いました。
Sincerely,123
とどけ!1
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#abc-z  #アネモネ  #キクとハシ  #ダチュラ  #舞台  #赤坂actシアター 
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音楽系専門学校を卒業し、PAを経験。そのため人生のうち様々な音楽と出会い影響を受けてきました。音楽なくして私の人生なし。