50年間ぶれずにまっすぐ優しい道を進むSSW

2019/03/29

• Copperline
• James Taylor(ジェイムス・テイラー)
• MUSIC

DearCopperline,

マッドスライドスリムのジャケットでサスペンダーをくいっとしながら微笑むジェームステイラー。
優しくてかわいらしい、そして穏やかな声の彼は、私の中のシンガーソングライター・男性部門の第一位です。（シンガーソングライター・女性 部門の第一位と言ったらもちろんキャロルキング）
年を取るにつれて少しずつ髪の毛が後退していく彼ですが、それも味、声のあたたかさ、曲のトーンは変わらず、いつも彼は優しく歌ってくれる。そう、いつも彼は変わらない。
1992年の全米ツアーが収録された彼のキャリア初となるライブ盤「LIVE！」はものすごく聴きごたえがある一枚で、ライブ盤にして珍しい2枚組のそれはジェームステイラーの名曲がほぼ網羅されています。中でも私が好きなのはディスク2、若干のマイナー曲「コパーライン」。歌詞の和訳はわからないまま聞き続けていますが、調べてみたら南部の思い出を架空の町に託した曲だそう。（今さっき調べた）
リバーブが効いたギターから始まり盛り上がる観客、優しいジェームステイラーの声。途中途中で聞き分けられる英単語が好きで「Branchwater and tomato wine」なんてところがなんかすごく素敵な単語に聞こえて大好きなのです。耳にこびりついて離れないこの「カーパーラーイン」というジェームステイラーの優しい声を何度も聞き続けました。
ディスクユニオンで買いあさったジェームステイラーのCDから離れ、Applemusicでどんどん出てくる新しいアーティストを聞きまわる日々の中、2015年彼は新譜を出します。ApplemusicのNewRelease欄で私はそれを知りました。まじか。ジェームステイラー新譜。久しぶりに聞く彼の声は少し年を取った感じはありつつも、以前と変わらない「ジェームステイラー」の声で「ジェームステイラー」の曲を歌っていました。
私は昔と変わらず、まっすぐ同じ道を進み、優しく歌い続けるミュージシャンはジェームステイラーくらいなんじゃないかと感じています。彼ももう70歳を過ぎています。来日公演はもう難しいかな。だけど彼はいつ聞いてもいつも同じ優しい声で私の耳に「カーパーラーイン」と歌い続けてくれるのです。

Sincerely,123