2019/04/01
DearGet Free,
これは懺悔の手紙です。
元男子校で私達の2年上から共学になった高校。
女子はまだクラスに3人。
その2人とも何となく壁があり、私はいつしか学校をサボるようになって古びたCDショップの片隅にある視聴コーナーに入り浸った。
しわくちゃのお婆ちゃんが派手なメイクをしてヘッドホンをあてたカバーのRockAnthem。
その中にthe vinesのGet freeという曲があった。
しゃがれた声でひたすらi'm gonna get freeと叫んでる単調な曲。そのしゃがれた声でget freeと叫ぶ様がなんだか痛々しいと同時に、私の中の厨二病をゾクゾクと沸き立たせた。
孤独、自由、叫び、
それに英語だし、さいっこーにかっこええやんけ!!!
私の洋楽好きは
こんな不純な動機から始まった。
(まぁでもみんなもそうでしょ?)
その日はそのRockeAnthemを購入し、ひたすらGet freeを聴きまくり悦に浸った。
私は最強の武器を手に入れたと言わんばかりに、次の日学校へ行きまだそんなに仲良くない女子にその曲を聴かせた。
…言わずもがな、撃沈である。
時代は浜崎あゆみ、CHEMISTRY、他
誰がしゃがれた声でひたすらGet freeとしか叫ばない(※他にも歌詞はある)異国の無名バンドの曲を聴くものか。
私は孤独、自由、叫び、そして"理解してもらえない"(孤独と同義)を手に入れ深い深いROCKの海へ身投げした。
制服にパーカー、ヘッドホンの最強装備でゴミだらけのきったねー川沿いを歩き、苦しそうな顔をして時々空を仰ぐ。
そんな充実した日々を過ごしていた高校生活。
BLUR、Radiohead、REDHOTCHIRIPEPPERS、WhiteStripes、MATCHBOX20、Weezer、Oasis、etc
彼らが伝えたかった言葉は、きっとあの頃の私には一ミリも届いていなかった。
私は彼らを自分が孤独になる為の道具にしていた。
私は何にも縛られていないのに、自由になりたいと思い
誰にも無碍にされていないのに孤独だと思い
自分の好みを押し付け、理解をしない周りに勝手に幻滅していたのだ。
私が聴いてきた音楽達へごめんなさい。
でもあなた達に出会えたから、私の感性がなんだか不思議なものになったのも事実。
…ってまだ厨二病引きずってるのかな。
Sincerely,2739