2019/03/15
Dear愛のむきだし,
愛のむきだしとの出会いは上司からDVDを借りた、という単純なものでした。それまで私の中で映画とは、2時間強、時間が拘束されるものなのであまり見ることは好きではなく、見るのにも労力がいるもの、もしくはジブリとかディズニー映画を垂れ流ししながら昼寝をするもの、と思っていました。なぜ、その上司が愛のむきだしを私にいきなり貸してくださったのかは今となっても不明ではあるものの、大好きなゆらゆら帝国が音楽を担当しているという事もあり、前編後編の超大作にちょっと気も重くなりつつ鑑賞しました。
が、この映画をきっかけに私の映画に対する考え方はぐるりと変わることとなりました。手に汗握り歯を食いしばって観る。前編DVDが終わった瞬間、喉がカラカラに乾いた時に水を欲するかの如く、後半DVDをプレーヤーにねじ込む。頭の中は新興宗教と音楽と満島ひかりと西島隆弘と安藤サクラでいっぱいのはずなのにそこにゆらゆら帝国の「空洞です」が流れたりとかして空洞と頭一杯が相まってぐるぐる、兎に角のめり込みました。
237分の超長編映画であるそれを一日のうちに2回見るほどにのめり込みました。
これをきっかけに、園 子温 監督作品を片っ端から見るようになり、そこから事あるごとに映画を見る映画狂へと変貌を遂げることが出来ました。
映画というのは他人の人生を生きるものだと思います。この作品を見て私も新興宗教が欲しいと思ったものですが、映画を見ることで自分の人生を忘れ、他人の人生を2時間生きることで心のよりどころが少しできるような考え方が出来るようになりました。
…とかいうものの、この作品のサイケさ、エロティックさ、グロさ、すべてが私の好みにドキュンなのでした。
Sincerely,123